第三回「相撲界・今のままで委員会?(前編)」


今更ではあるが、現在の大相撲の世界は問題が山積している。今回はその中でも代表的なもの、目下の課題を検証し、

私流の打開策を提案してみたいと思う。あくまで私の個人的な意見なので気分を害される方がいらっしゃるかもしれないが、

平にご容ヘ頂きたい。

(1)メディア展開。

ここ数年の大相撲は人気が大変低迷している。この原因は多数の休場者・相撲内容の淡白化・不景気などたくさんあるが、

これを払拭するには当然「相撲というものはおもしろいものなんだ」ということを皆に理解してもらわなければいけない。

その為には力士がカッコイイ職業であり、相撲は手に汗握る格闘技だということを前面に押し出す必要がある。

そう思ってもらうにはもっと相撲・力士を知ってもらう必要がある。それにはもっと色々な角度からメディア展開する必要がある。

現在一般的なメディアとしては、本家大相撲放送・大相撲ダイジェスト・日本相撲協会公式サイト(PC・携帯含む)・相撲雑誌・

ゲームソフト「日本大相撲」シリーズ・相撲甚句のCD・相撲史のDVDなどである。これだけでは十分とはとても言えない。

もっと幅広く展開するべきである。それに大相撲ダイジェストは今秋で打ち切りだということである。正直テレビ朝日には失望した。

低俗なバラエティを製作している暇があるなら大相撲ダイジェスト存続への努力をしてほしいものである。

それはともかく、近年では行なわれなくなった力士大運動会や歌合戦などの他、違った切り口から力士を取り上げるプログラムが

沢山欲しいところ。勿論、力士・相撲に対する魅力・尊敬の念を抱かせるような内容でなくてはならない。間違っても失笑を誘うような

醜態を晒してはいけない。そういう意味では最近クイズミリオネアに朝青龍&高砂親方・錣山親方・大嶽親方が登場していることは

なかなか頼もしい。出来ればクイズ番組やスポーツ番組などが良い。下手にトーク番組やバラエティ番組に出ると、墓穴を掘る可能性がある。

CMももっと出るべき。出来ればちゃんと名前付きで。最近の若い人は力士の名前をロクに知らないのである、嘆かわしいことに。

そういう意味では黄桜辛口一献のCM(錣山親方)は望ましい形。日本郵政公社のCM(朝青龍)は名前が出ていないので何とも…。

CM・宣伝といえば今や忘れてはいけないのがラッピングバス。「ラッピング」ということは、あの広告形態は、

車体にフィルムを貼り付けているだけなのだから、大相撲の興行や巡業等の広告を定期的にどんどん掲載するべきである。

日程・場所・料金の他、朝青龍や武蔵丸・千代大海・高見盛などが塩を撒いたり仕切っている写真なども載せたらなお良い。

もし「露出度の高い写真は載せられない」とバス事業者に言われたら、着物姿でも良い。

とにかく、一般の人が日々生活していて、最低1日1回はその端っこ・末端部分でも良いので、

「相撲」という国技の情報(ここでいう情報とは五感から得られる全ての感覚内容を指す)に触れられるよう、

もっともっと幅広い展開をするべきである。メディアミックスは何もアニメ・ゲーム等だけの専売特許ではない。

(2)立ち合いの正常化!!!!!

何でこんなに沢山の感嘆符(!のこと)を付けているかには理由がある。

本当に最近の本場所の取組では待ったや突っ掛け、間合い嫌いなど、立ち合いの不成立が多すぎるのである。

一般的な相撲ファンが制限時間一杯後の立ち合い不成立を黙って我慢できるのは2回までである。

これはTVの大相撲放送を見ていればよく分かるし、なにより3回目になると私自身が「あ゛ー!もう!」と怒鳴るからである。

相撲という格闘技の美のひとつに「力士お互いの呼吸で取組が始まる」点がある。

たまに相撲の取組は「行司の合図で始まる」と勘違いしている人がいるが、少なくとも大相撲はそうではない。アマ相撲なら別だが。

そこが最近、ハナからお互いに合わせようという気がない、何とか自分のタイミングで立とうとしている力士が多いようである。

何より最近の立ち合いの乱れの大きな要因の一つになっていると思われるのが昨年秋場所、貴乃花の取組である。

それまで貴乃花は綺麗な立ち合いで有名だったが、この場所では間合いを嫌ったりすることがあった。

正直これを観た若手力士が「横綱がやってるんだから俺がやってもいいんじゃ…」と思う可能性は大きい。

さておき、現在立ち合いが変則的な力士の代表として、貴ノ浪(二子山)、北勝力(八角)、古市(阿武松・現在幕下)などがいる。

具体的に言うなら、貴ノ浪は完全に相手を見て待っている(あるいはジらしている?)ように見える(本人は否定しており、

自分なりの考えがあるようなので文句は言わないが。貴ノ浪の相撲道の精神は独特だがかなりしっかりしているのだ)し、

北勝力は腰高(これはルール上別に問題ないのだが)で、たまに仕切り線から手が出ている(これは明らかにダメ・行司や審判から止められる)し、

古市は若干片側に体重をかけて片手を廻しながらぶらつかせるような立ち合い(小兵ならではの工夫?)である。

仕切り線から出る、ということ以外はどれも別に反則ではない。むしろ創意工夫か単なる癖である。

それにしても皆このままの立ち合いでずっとやり続けるべきかと言うと、

私は決してそうは思わない。

相撲は相手がいいて初めて相撲になるのだから、全ての力士がちゃんと相手と息を合わせる立ち合いをして欲しいのである。

どうしてもこのまま立ち合いの乱れが改善されないようなら、強攻策として「1回の取組で立ち合い不成立が3回連発した場合は、

両者不戦敗」にするくらいの綱紀粛正(?)が必要なのではないか、と私は常々思っている。

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