気遣井夏紗子の建物探訪(ぉぃぉぃ)

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(例のテーマ曲)とーきどーきー遠くをー(以下略)


(渡辺篤史調で)おはようございます、気遣井夏紗子です。今日はH市にお住まいの、白薔薇さまこと、藤堂志摩子さんのお宅「小寓寺」を探訪しようと思います。
…分かりました!(←お約束)


(写真1)

ほほー、ここが「チェリーブロッサム」の「銀杏の中の桜」で二条乃梨子さんがバスターミナルを眺めながらチーズバーガーを食べたファーストフード店ですね?
ガラス張りが実に開放的で良いですね〜。これならバスターミナルが一望できますね〜…分かりました!


註1
志摩子さんの自宅のある「H市」に該当するのは、東京都内では八王子市、日野市、東久留米市、東大和市の4つ。
このうち「JRと私鉄の両方が乗り入れているH駅(真夏の一ページ/おじいさんと一緒)」が存在するH市は八王子市のみ。
よって、志摩子は【八王子市在住】ということになります。
その「八王子市のH駅」に該当するのは「八王子駅」だけです(最初「拝島駅」も該当すると思っていましたが、「拝島は昭島市である」という読者様からのご指摘を頂きましたので修正いたします@2004・1・30)
よって、乃梨子が「バスターミナルでメモ書きを持ってバスを探す(チェリーブロッサム/銀杏の中の桜p47)」ほど多くのバス路線が出ているのは【八王子駅】だということになります。


(写真2)

いやー、はっはー。これがそのチーズバーガーですね?
おいしそーじゃないですかぁ。…分かりました!


註2
実は正確に言うとこれはチーズバーガーではありません。
八王子駅で「ガラス越しにバスターミナルを眺めることが出来るファーストフード店(チェリーブロッサム/銀杏の中の桜p45)」に該当するのは写真1の【カフェ・ド・クレア】のみ。文中には「駅前のファーストフード店」とあり、「ハンバーガー屋」とは一言も書いていないので乃梨子が入った店のモデルとなったのはこの店と考えても問題はないでしょう。もしかしたら今野先生が「銀杏の中の桜」を執筆している頃はハンバーガー屋のテナントだったかもしれませんが。
だがこの店はフランス風サンドの店であり、残念ながら「チーズバーガー」や「ウーロン茶」は置いてません。そんなわけで写真2のメニューは「チーズバーガー」に一番近い【生ハム&チーズサンド(250円・セットなら470円)】です。「ウーロン茶」というのは作品の雰囲気として、渋好みの乃梨子に合わせた設定でしょう。ちなみにこの店、水はセルフサービスで好きなだけ飲めるので必ずしも飲み物を注文する必要はないんですが(笑)。


(写真3)

(写真4:多摩バス/八王子22か・576/D19203/いすゞU−LV324L/恩方営業所所属)

なんと、ほっほほー。これはこれは!
志摩子さんの家のお寺に行く為に乗るバスですね!?
…分かりました!


註3
「銀杏の中の桜」で乃梨子が志村タクヤ君から教わったバスの系統番号を手掛かりにバスを探すシーンの検証です。
作中p47で乃梨子は「07番、07番と……」と07系統のバスを探している(この「07」というのはバスの行先方向幕に表示されている路線系統番号のことであり、八王子駅バスターミナルのバス停の番号ではない)のでここは一つ、伝家の宝刀・バス好きのバイブルこと社団法人東京バス協会発行の「東京都内乗合バス・ルートあんない」を紐解いてみます。
すると該当する路線に「八07系統」がありますが、これは「相模湖駅」行でお寺とまったく関係ない上、本数も大変少ないので乃梨子の乗った路線とは関係ないですね。そのため「07」というのは作中オリジナルの設定ということになります。
さて、系統番号の件は考えないことにして志摩子さんの家のお寺「小寓寺」のモデルとなったでろうお寺へ行くバスを探すのですが、そもそも方向幕に「○○寺」とお寺の名前が書かれているようなレアな路線があるんでしょうか?
……あった(笑)。
八王子駅北口バスターミナル9番乗り場から出ている多摩バスの「陣10系統・四谷経由・宝生寺団地」行(写真3)です。「団地」と付いてはいますが、地図を見ると団地の南にきちんと「卍宝生寺」とお寺が存在しています。
……これだ!
っとと、しかしよーく本文を読んでみましょ。志摩子さんの家に行くバス路線には「小寓寺・北回り」「小寓寺・中央」だのと枝線があるらしい…。
だが京都や奈良の超どでかいお寺ならともかく、失礼ながら東京で、お寺へ行くバス路線で枝線が多数存在するなどという奇特な路線はさすがにないのでは?
調べてみると、この「宝生寺団地」線は「陣10・八王子駅〜宝生寺団地」と「陣17・八王子駅〜宝生寺団地〜恩方車庫(深夜のみ)」「高13・高尾駅北口〜宝生寺団地」の3パターンがあるので、まあ一応枝線が多い路線ということにはなるっちゃあ、なりますね。
まあ何にせよ実際に「宝生寺」に行ってみないことには埒が明かないので写真4の【陣10・八王子駅〜宝生寺団地】行の多摩バスに乗って行ってみることにしました。


(写真5)

(写真6)

(写真7)

(写真8)


(写真9)

(写真10)

夏紗子:いやーとうとうやってきました、ここが藤堂志摩子さんのお宅「小寓寺」ですね!

志摩子:ごきげんよう、夏紗子さん。

夏紗子:し、志摩子さんじゃないですか!ご、ごきげんよう。い、いやーそれにしても立派なお寺ですねー。

志摩子:ええ、まあ…。それはそうと、折角いらしたのですからお食事でもいかが?

夏紗子:え、良いんですか?それじゃお言葉に甘えて…。


註4
やってきました志摩子さんの家の小寓寺…のモデルかも知れない【宝生寺】(写真7)。
一応最初は終点「宝生寺団地」バス停まで行ってみました(写真5)。少し周辺を散策してみましたが随分広い団地のようです。また坂が多いので、タダでさえ迷いやすい団地が、慣れない人間には不用意に歩き回ると数倍怖い場所ですね(笑)
ちなみに実際宝生寺には1個手前の【陵北大橋】で降りたほうが近いです。
しかし何がすごいって「銀杏の中の桜」p48にある「小高い山を背にした広い土地に、どっしり腰を下ろして建っていた」との描写にぴったんこカンカンで合致するではないですか!(写真6)
いやー思わずドキドキしちゃいましたよ。ここに志摩子さんが…ってまあ架空の人物だって分かってますがでもこれが興奮せずにいられますか(笑)!
立派な山門もあります。結構新しいですが(写真8)。
そしてその山門には阿形と吽形の金剛力士像が(写真9)。
さらに乃梨子が寺男に案内され、住職がやってくるまで待たされた本堂です(写真10)。
また写真6の右側にある2階建ての白い家が母屋なのでしょうか?
ところでこの宝生寺、東京都と八王子市の文化財にも指定されているらしいです。


(写真11)

夏紗子:いやー、突然お邪魔してしまった上にごはんまでご馳走になってしまって…なんと申して良いのやら…。

志摩子:ふふふ、そんな気にしないで下さい。よろしければまたいらしてくださいね。

夏紗子:あ、ありがとうございますー(感涙)。


註5
こちらが宝生寺の住居側の玄関のようです。作中の小寓寺では門のところに『藤堂』と地味な表札が掛けられていましたが(p57)、実際の宝生寺の住居側の門には本名の表札は付いていませんでした。まあもし本名が書いてある表札があったとしてもプライバシー保護の為、写真は載せられませんが…。
まあ文の通り、表通りに持ってくるのは不向きかもしれませんね。
さすがに宝生寺の写真が撮れるのはこのあたりまでが限界です。住居側についてこれ以上入るのは不法侵入になるので…。


(写真12)

(写真13)

(写真14)

(写真15)

(写真16)


志摩子:駅まで送っていきますよ。

夏紗子:何から何まですみません…。


註6
木々が茂り、竹林などが多い(p57)あたりです(写真12)。
作中には描写がありませんでしたが、実際宝生寺の裏手からバスの本数が多い「陣馬街道」に出るには写真13のような川を渡らなければなりません。
というかそもそも、来た時と同じ「陵北大橋」バス停のほうが寺の裏手から実は近いのですが、そこだと「宝生寺団地」線しか走っていないので、志摩子さんは他の路線も多数走っている陣馬街道側のバス停に乃梨子を案内したものと推測できます。
或いは「仏教の寺の住職の娘なのに、カトリック系のリリアン女学園に通っている」ことを知られ、乃梨子とそのことについて話をするためにあえて、人気の少ない多少遠回りな道を選んだのかもしれません…。
そして川を渡って陣馬街道に出ると左側に見えるのが、志摩子さんと乃梨子が辿り着いた【切通し】バス停です(写真14)。
バス停のベンチは残念ながらアイスクリームだか清涼飲料水だかの名前が擦れているプラスティック製(p63)のものではありませんでした。地元の老人会から寄付された金属製のベンチです(写真15・16)。かなり新しいベンチだったので、ひょっとしたら少し前までは文の通りのレトロなベンチだったのかもしれませんね。
しかし寺構えや周辺状況がここまで作品中の表現と一致する点が多いとなると、やはり「小寓寺」のモデルは【宝生寺】である可能性がかなり高いと言えましょう。
それに、宝生寺の「宝」の旧字体「寶」と小寓寺の「寓」って何となく似てません?(無理矢理)


夏紗子:今日はどうもありがとうございました。

志摩子:いいえ、こちらこそ。楽しかったですよ。

夏紗子:電車が来ましたね。

志摩子:それではまた学校で会いましょう。ごきげんよう、夏紗子さん。

夏紗子:ごきげんよう、志摩子さん。


(図1:上部左右引き違い・下部固定式側窓)

(図2:上下引き違い式のサッシ窓)

(図3:ノンステップバス。ご覧の通り前扉に一番近い座席がかなり高い位置にある)

(図4:ツーステップバス)


註7
どーでもいいといえばどーでもいいことかもしれませんが、p64で乃梨子が乗ったバスは割と車齢の高い、つまり古いバスでしょう。なぜなら「後部座席のほうに走って行って、開いていた窓から顔を出して叫んだ」とあるからです。
なぜかといいますと、近年の新しい路線バスは大抵が逆T字窓仕様(正式名称:上部左右引き違い・下部固定式側窓)なので、窓の下側はハメ殺しになっていて開かない構造になっているからなのです(図1)。上部はちゃんと開くようになってますが、高校生の女の子の身長で上部の窓から顔を出して叫ぶ、というのはちょっと無理があります。ましてや昨今のワンステップバスやノンステップバスなどの低床車ならなおさらかもしれません。
よって、乃梨子が乗ったバスはある程度昔に製造された、上下引き違いのサッシ窓仕様のバス(図2)であると推測できます。

おまけで補足すると「黄薔薇革命」p172で病院からM駅南口まで祐巳が乗ったバスはやはりある程度古いツーステップバスであろうと思われます。
なぜなら、現在バス会社が新車の路線バスを購入する場合「交通バリアフリー法」という法律に基づき、「床高さが地面から650mm以下でなければならない」と定められているからです。これは、低床のノンステップバスやワンステップバスでないと満たすことが出来ません。しかし、祐巳はこのとき「バスの入口に最も近い席」に座っています。ノンステやワンステといった低床バス(図3)の場合、入口(小田急バス武蔵境・吉祥寺営業所管内路線なので前扉)に一番近い座席は前輪のタイヤハウスの関係でかなり高いところにあり、補助段に足を掛けてよじ登らないと座ることが出来ません。まがりなりにもリリアンに通う乙女である祐巳がスカートのプリーツが盛大に乱れてしまうそんな席に座るとは思えません。よってこのとき祐巳が乗ったのは前述の法律の施行よりも前から小田急バスに在籍しているツーステップバス(図4)であると推測できます。


最後に

このページの記事について西東京バスや多摩バス、そして宝生寺に問い合わせをすることは絶対にしないで下さい。
また、あくまでこれらの記事は管理人なぜカドの推測です。御了承下さい。


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